こんにちは。まさおです。
そろばんを習う子供が増えているというのを何かで見たので今日はそれについてです。
そろばんを習う子供が増えているらしい。そんなこと耳にしたのでネットで調べてみた。
珠算に関する検定の受験者数の推移をである。
その資料には昭和25年から令和2年までの受験者数が書いてあった。
戦後間もない昭和25年は21000人余り。年々増加し昭和41年に117万人余りでピークとなる。
小学生時代、私のクラスにもそろばん塾に通う同級生がいた。たしか土曜日の午後にその塾は開かれていた。
一人や二人でなくて結構な人数が通っていたような気がする。
そろばんを習うことは特別なことでなくてありふれた習い事のひとつだった。
受験者数はその後減少を続け平成14年には4万人弱に。ピーク時の約3%。
翌年の平成15年には14万人余りといきなり前年の3倍以上になっている。
集計方法が変更になったのか、学習指導要領が変更になったかわからないがとにかく増えている。
その後毎年増え続け、平成26年には30万人余り。令和2年は23万人弱だった。
これだけ見ると最近、以前よりも子供がそろばんを習うようなったとは言えないだろう。
が、別の視点から見るとそろばんを習うことに注目が集まるようになってきている、とはいえるのではないか。
それは右脳を鍛えるとかイメージを活性化するという視点だ。
そろばんの効果として右脳を鍛えられるということがある。
頭の中でそろばんをイメージし、球をはじいて計算するそうだ。
それによってイメージを司る右脳を活性化し鍛えることができるという。
学生時代のアルバイトの職場に暗算の達人がいた。
彼も大学生で、ごく普通の今風の、少しチャラチャラした感じの男だった。
特別頭がいいようにも見えなかったが、計算だけはすごかった。
何かの合計金額を出すという場面があると彼が呼ばれた。
電卓を使えば計算ができるから彼を呼ぶ必要はないのだが、面白いから呼ばれるのである。
一人の男が3桁か、4桁の金額を次々と読み上げていく。
もう一人は電卓を持ち、それを聞いてキーをたたく。
彼は読み上げられていく金額を聞いているだけである。
終わりまで読み上げられた後で、彼が一言発する。
「178902円」とか。
電卓をたたいていた男が液晶に表示されている数字を読み上げる。
「178902円」
周りにいる全員で「すげー」とか「合ってる」とか言って騒ぎ立てる。
読み上げられる金額の件数は数十以上で普通に暗算して計算できる数ではない。
途中でわからなくなるか間違えるのが普通だろう。
彼はそろばんを習っていたらしい。頭の中でそろばん球を動かして計算していたからあのような離れ業をやってのけたのだろう。
何かを「イメージをする」とはそこにはないもの、見ていないものを頭の中で思い描くことだ。
これから更に勢いを増していくであろう仮想現実メタバースとは真逆になる。
仮想現実はそこに「ないもの」をあるかのように見えるようにする技術だ。
もしかしたら、ないものをイメージする力を衰えさせる技術なのかもしれない。
そんな危機感を無意識に感じて、イメージする力を養うそろばん教室が脚光を浴び始めているのかもしれない。