「不便なコンビニ」を読んだ

寝転んで本を読む女の子 読書
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こんにちは、まさおです。だいぶ投稿の間隔があきました。

久しぶりに小説を読んだのでその感想を書いておく。

どういう精神状態だったか忘れたが、だしぬけに小説が読みたくなった。それも韓国の小説。なんで韓国の小説なのか自分でもわからないが、多分、最近韓国の政情が不安定で、無意識のうちに韓国に興味が湧いていたのではないかと思う。

ネットで検索した。「韓国の小説」「面白い」のワードで。ヒットしたのは「82年生まれ、キム・ジヨン」などどこか一度はで耳にしたような小説が多かった。本の表紙の絵を見て面白そうだと思ったのが「不便なコンビニ」。アマゾンであらすじを読むと、ホームレスが主人公の話らしい。

ホームレスが社会復帰する話だと思って、読み始めた。図書館で借りてきた本を。

小説は老婦人が財布の入ったポーチをどこかへやってしまって困っているところから始まる。親切にも拾ってくれた人が老婦人のスマホへ連絡をくれた。老婦人は予定を変更してポーチを返してもらうためにソウル駅へ戻る。

ポーチを返してくれたのはソウル駅を根城にするホームレスだった。正義感、責任感が強いそのホームレスに興味を持った老婦人は、自分がオーナーであるコンビニで働くよう、ホームレスにお願いする。

一日中、誰とも話をしないからだろうか?そのホームレスはひどく言葉がたどたどしかった。しかし、コンビニ店員の仕事をしていくうちに少しずつ会話が滑らかになり、懸命に仕事に取り組むのですぐに仕事を覚えた。

一生懸命に働くホームレスは、近所のおばあさんに親切にしたりして、少し経つとコンビニの売り上げに貢献するようになっていく。

鈍いホームレスが鈍いなりに一生懸命働いて、周囲の人たちを元気づけていく小説なのかなあ?と思いながら読んでいた。うーむ、あまり面白くないなあとも思いつつ。
小説なので最後まで読んでみないで結論を出すのは早いと思い、つまらないと思いつつも読み続けた。

小説の中盤頃からこの小説がだんだん面白くなってきた。本の中に入っていき、時間が経つのを忘れた。こういう感覚も久しぶりだった。小説自体を読んでなかったから。

物語は、ホームレスが働くコンビニを舞台として、そこにかかわる多様な人を各章ごとの主人公にして進んでいく。もちろん、ホームレスはどの章にもキーパーソンとして登場しているけど。

あと、書き忘れていたが、ホームレスは記憶喪失だった。自分がどこのだれかわからず、何をしていたのかもわからない。しかし、コンビニの仕事を続けているうちに記憶が徐々に戻ってくる。

終盤では大どんでん返しが待っていた。そのホームレスは元美容整形外科の医師であった。金儲けの悪徳医療機関で働く悪徳医師であった。

ゴースト執刀医である歯科医の施術した患者が亡くなり、それがマスコミで叩かれた。その患者の担当医であったホームレスは一旦世間の目の届かないところへ隠れ、騒ぎがおさまってから復帰するつもりであった。

しかし、ホームレスの妻と娘が家を出ていってしまう。ホームレスは妻と娘に真実を話すことができなかったが、妻も娘もホームレスがやった悪事についてだいたいのことはわかっていた。

ホームレスは自分たち家族の生活を守るために仕方がなかったと、家族に弁解するが、家族は、そんな悪事を働いた金で生活するくらいなら、野垂れ死んだ方がましだという趣旨のことを言った。

ここまで主人公のことをずっとホームレスと書いてきたのでそれで通す。

医師であったホームレスは、妻子に見捨てられ、自暴自棄になる。それでソウル駅のホームレスとなったのだった。酒を飲まなくては生きていられず、毎日大量に飲酒したせいで記憶喪失になっていたのだった。

記憶を取り戻したホームレスは、自分の働いた悪事を反省し、その償いとして、彼の医者としての技術を人の役に立てようと、コロナが猛威を振るう地域へ向かうところで小説は終わる。

この小説、韓国で150万部の大ベストセラーになっている。小説の初めのほうを読んでいるうちは、なんでこの小説がベストセラーになっているのかよくわからなかった。

が、最後まで読み進めて、そういうことなんだな、と少し納得した。それは韓国社会が「弱肉強食」というと大げさかもしれないが、厳しい社会なのだろうということ。たぶん、日本にいる自分が思っているよりも。

自分たちの家族を養うためなら人を殺しても「仕方がない」で片付けてしまう医師。悪徳医師。もちろん、これは極端な話だと思うけど。

収入とか社会的地位とかだけを基準にした価値感を根底にした社会は弱肉強食になってしまうのだろうか。

小説の中では、ホームレスが、コンビニを利用する人たちのために、通常業務を超えていろいろなサービス、善意からのサービスをするシーンが多数描かれるが、それはホームレスが相手のことを第一に考えたときの当然の行動として描かれている。

韓国の人たちもお互いに思いやる、優しい社会の方がいいに決まっている。この小説を読み終えたとき、韓国社会の現状と、理想が書いてあると思った。だからベストセラーになったのだろう。

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